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勉強が煮詰まってきたので、みなさん(当ブログ読者)の1日を勝手に想像してみました。かなり簡素というか適当ですけど。 * <“トゥルルルルル”> その日は電話に起こされた。電話は長年お世話になっているアダルト専門ショップ「I am ガルベス」からだった。 「DVD、トドイタ。オマエ、スグコイ」 どうやら前々から頼んでおいた幻のDVDが手に入ったとのことだ。やはり独自の地下ルートを持つ黒人系店長のガルベスさんは心強い。 電話を切ると、俺はだらしなく伸びきった髪をオールバックにまとめた。頭皮の油分が天然ワックスとなっているので、ポマードやディップといった整髪剤は必要ない。アンチ風呂ガーだけが成せるスタイリング、生活の知恵だ。 そして消臭スプレーを全身に振りかけ、脱臭炭ゼリーを丹念に練り込む。こうすることで、俺の放つ劇烈な臭気は、どうにか一般人レベルにまで引き下げられる。と自分では思っているのだが、実際はどうなのか分からないし知りたくもない。 身だしなみはそこそこに、俺はちょっとキツ目の薬をキメて外界へ舞い降りた。 太陽の光を浴びるのは何日ぶりのことだろうか。人目をはばかりながら歩くこと数十分、「I am ガルベス」に着いた。 「DVD、10マンエン、ハヤクハラエ」 電話では確か2万円と聞いた気がしたが、もはやそんなことはどうでも良かった。あまりに過激な内容のため、市場に出回らずお蔵入りとなっていた幻の作品、『ポポロリ・エロイス物語』と『ペド・フロンティア』が手に入ったのだ。パッケージに印刷された鬼畜極まりない写真を見て、つい頬がゆるむ。 「オマエ、キモチワルイ。ハヤクカエレ」 沸き上がる性欲を抑えつつ、足早に店を出た。 Time has come. ついにこの日が来た。この日の為に数週間にも及ぶ禁欲生活に耐えてきたのだ。さらに、乳房、大陰茎の発達具合から女児の年齢を解析する『ターナーの法則』も独学で学んだ。最高のエクスタシーを獲得するには、女児の正確な年齢を把握することも重要なファクターの1つなのである。意外にこの点を見過ごしている人間は多い。 “まっかなおっ鼻の~、トナカイさ~んは~♪” と、駅前の広場を通りがかったところで、かわいい歌声が聴こえてきた。どうやら子供達がクリスマスソングを歌っているようだ。 (そういえば、今日はクリスマスだったっけな……) 定職に就かず、窓もカーテンも閉め切って家にひきこもる。こんな反社会的な生活を送っていれば、今がいつなのか分からなくても無理はない。 “ジングルベ~ル、ジングルベ~ル、鈴が~鳴る~♪” 気が付くと俺は家路を急いでいた足を止めて、子供たちの歌声に耳を傾けていた。希望の光に満ち溢れている子供たちは眩しかった。 しかし、無邪気に歌う子供たちを見て、不覚にも俺の下腹部は隆起していた。 ……と同時に、そんな自分自身に言いようのない嫌悪感が襲ってきた。 (俺は一体こんな所で何をしているんだろうか……) 気が付くと、俺は、泣いていた。涙など流したのはいつ以来のことだろうか……。 悲哀、羞恥、苦悩、後悔、性欲、絶望……。 様々な感情が入り混じって、目から肉棒からとめどなく涙が溢れた。しかし、その涙は俺の汚れた心を浄化していくようで……。 「今からでもまだ間に合う。人として、清く正しく生きよう」 俺は涙をぬぐってそう決起した。 ざわ・・・。ざわ・・・。 見るからに変質者というような男が、子供達を凝視して、時折ぶつぶつ呟きながら号泣している。この異様な光景に広場はざわつき始めていた。 「俺は生まれ変わるんだ……! こんなものは……もう要らない!」 俺は小脇に抱えていた非合法DVDを投げ捨てた。 と、その時だった。 「君、ちょっといいかな」 不意に声をかけられ振り返えると、そこには警官が立っていた。というより、俺の周りは軽いパニック状態になっていた。 (ま、まさか……俺が原因か……!?) 「ちょっと待てくれ! 俺は生まれ変わったんだ!」 「話は署で聞くから」 警官の手には先ほど俺が捨てた非合法DVDがあった。とても言い逃れできそうにない。俺は警官に従い、渋々署へと向かった。 署では犯罪者同然の屈辱的な扱いをされた上に、要注意人物として様々な角度から写真まで撮られた。結果的にDVDを所持していただけの俺は厳重注意だけで済んだが、数時間前に「正しく生きよう!」などと決起した気持ちは完全に消え去っていた。 そしてやっと署から開放されると、タイミングが悪いことに、検挙されたガルベスさんが今まさに連行されて来る所だった。署では激しく詰問され、俺はガルベスさんのことまで洗いざらい全てを話していたのだ。もちろん、ガルベスさん本人には俺の名前は伝わらないという確約があってこその情報提供であった。 それなのに……このような形でガルベスさんに会うとは……。これはもう警察の配慮が足りないというより、神のイタズラとしか思えない。ガルベスさんは俺の顔を見て、すぐに足が付いた原因を察したようだ。そして、すれ違いざまに悪魔のような形相で 「カナラズコロス」 と言い放ち署へ消えていった。中国系の密入国者など、幅広い人脈を持つガルベスさんのことだ。ガルベスさんが出所したら、俺は間違いなく消されるだろう。 もう日は完全に落ちていた。街並みに目をやると、クリスマスのイルミネーションがキラキラ輝いている。そんな中を行きかう幸せそうなカップルたち……。 俺は夜風に震えながらタバコに火をつけた。ジッポライターには無様な自分の姿がぼんやり写っていた。 「やるか……」 そして帰り際、俺は幼女を連れさらい、家に監禁した。その子の顔が小池徹平に似ているので、徹平ちゃんと呼ぼうと思う。 君はきっとどうしようもない僕に降りてきた天使。 メリークリスマス
by pain_magic
| 2006-12-25 03:01
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