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更新停止も同然なこのブログですが、二次試験接近中にき、ブログ更新のモチベーションとプライオリティが大暴落中です。ま、こんな時期にパソコン開いてるような受験生は、間違いなく万死に値だと思いますが。 というわけで、もうすぐ二次試験とやらが始まるのですが、これから私は遠方の私大を受けに行く体で、実は近場のホテルに宿泊するといった、非常にクリエイティブな活動をする予定です。 いやー、合法的に10万単位の金を得られるって、素晴らしいですね。胆力養成にも繋がりますし、受験生(親不孝者)の皆さんには、ぜひお勧めしたい錬金術です。多少のリスクを背負うことにもなりますが、念入りに裏面工作をしておけば、まずバレないと思いますよ。 ……さて、そんなクズである私が、試験勉強の片手間で、センター試験を題材にした掌編を書いてみました。ちなみに、主人公はこのブログの読者様という設定です。細かいツッコミは一切受け付けませんので^^ * 2007年、1月20日、センター試験当日。 俺は生徒ではなく試験監としてこの日に臨む。といっても、チェックするのは試験ではなく女子高生の方だ。脂の乗りきった少女が一同に集結する、センター試験。試験監としてこの祭典を利用しない手はない。 不謹慎と言うなかれ。俺も監督者である前に1人の男なのだ。そもそも休日出勤で日当1万足らずとは、俺を教授と知っての狼藉だろうか。こんな端金で機関の豚になるほど、俺は御しやすくない。 公明正大に仕事など反吐が出るので、俺は不正行為は黙許している。カンニング、替え玉受験。大いに結構。正直な人間が馬鹿を見るこんな世にあって、時代が求めているのは、狡猾に立ち回れる逸材だ。そんな才能の芽を摘む必要などありはしない。それが俺のスタンス、日本教育へのアンチテーゼ。 大学の事務室でコーヒーを飲んでいた俺は、チラっと腕時計に目をやった。 試験が始まるのは9時30分。 時計は、その40分前を示している。 「そろそろ頃合いか……」 俺はゆったりとした動作で席を立つと、試験が行われる教室へと向かった。 本来ならば、8時30分までに入室しなければならないのだが、俺はそんなルールに縛られない。もちろん、強権を持つ俺だからこそまかり通る所業なのだが。 * 教室は既に生徒で溢れていた。 待機していた試験監に軽く目礼して、さっそく教室を見回る。無論、女子高生を物色する為に、だ。さりげなく女子生徒の顔をチェックしつつ、手帳に採点していく。 48、42、38、52、39、47、44、26、47.... 端から顔面偏差値50割れが続出、おまけに人外と思える生命体まで混じっている……。俺は先行きに大きな不安を感じながらも物色を断行した。 38、53、47、40、50、32、37.... 割り振られた教室が悪かったのか、今年は近年稀にみる不作。俺の審美眼に適う少女は居ないのか……そう諦観を決め込んでいた折のことだった。 79!? あり得ない数値が、出た。 その少女は、有象無象の生徒の中で、他とは明らかに違う光彩を放っていた。まるでモノクロの世界でそこだけ色めいているような……そんな彼女の鮮やかな光に、華麗を極めた美しさに、俺はすっかり目を奪われて、その場で硬直していた。 そして俺は堪らず握り拳をつくった。――ズボンの中で。どうやら硬直したのは体だけではないらしい。体温が加速度的に上がっていくのが、文字通り手に取るように分かる。 「まもなく試験開始です。生徒の皆さんは……」 俺の硬直を解いたのは、試験監のアナウンスだった。どうやら、注意事項の説明を行っているようだ。 危ない、危ない。このまま立ちつくしていては、不審者そのものだからな。 俺は手帳をしまって、試験監の座席に腰掛けた。 時計を確認すると、9時15分。 試験監が慌ただしくなる時間帯であるが、煩雑な仕事は俺の領分ではない。俺ほどの著名な教授になれば、放っておいても周りが勝手にやってくれるのだ。まったく、最近は物分かりの良い教員が多くて困る。 「おい、そこのお前。写真票をこっちに寄こせ」 写真票を回収して来た試験監に指示を飛ばす。 「どうぞ。朝早くから、お勤めご苦労様です」 俺の傲岸な物言いにも、豚は嫌な顔一つせずに、あまつさえ労いの言葉まで加えて、きっちり応えてくれる。まったくもって、理不尽な世の中だ。 まあそんな豚のことはどうでもいい。わざわざ写真票を見る理由は、他でもない、あの美少女の名前を知る為だ。俺は彼女の名前に、確信めいた予感があった。そして、その予感は的中することになる。 受験番号、1272M、新垣油衣――。 「くっくっくっく……」 やはりそうだった。彼女はあのボッキーCMでお馴染みの新垣油衣(通称ガッキー)だったのだ。 美貌そのものが突き抜けていたので、彼女が芸能人であるだとか、最初はそこまで考えが及ばなかったが、改めて網膜に焼き付いた残像を再生してみると、そう、あれは我らがガッキーではないか、と。 おそらくガッキーの意向としては、大学へ進学するつもりはないのだろうが、最近は進学の有無に関わらず、センター試験を必須とする高校も多い。察するに、ガッキーも学校の方針で受験する運びとなったのだろう。 それにしても、俺の脳内で陵辱の限りを尽くしてきたあのガッキーが、いつの間にか受験する歳になっていたとはな……。きっとこの出逢いは偶然ではなく必然なのだろう。あるいは神の啓示であろうか。 とにかく、この大トロを黙って逃すのは余りに惜しい。なんとしてもガッキーと接触を図らねば……。俺と彼女の運命の輪は、すでに連なったのだ。 「ケケケケケ」 俺はこれから行うプランを練りつつ、股間のポッキーをいきり立たせていた。 * “ジリリリリ” 「試験終了です」 一限終了を告げるベルが鳴った。俺はガッキーの方をチラリと一瞥した。すでに答案用紙の提出を済ませて、早々に教室を出て行こうとしている。 機運は熟した。行こう……! 俺は軽く咳払いをすると、先ほど準備しておいた「あるモノ」を握りしめてガッキーに近づいた。 「ちょっと君、待ちなさい。ペンケースの中身をここで見せなさい」 「え……?」 突然声をかけられたガッキーは驚いて振り向いた。 「身に覚えがないとは言わせんぞ」 言いながら、俺はガッキーのカバンに手を突っ込んで、ペンケースを取り出す。 「ちょ、ちょっと! やめて下さい!」 ガッキーの制止を振り切り、俺はペンケースを開いて、中からカンニングペーパーを取り出してみせた。 「センター試験でカンニングとはいい度胸だな」 にべもなく周りの目を引くような大声で言い放つ。 「え!? そ、そんなの知りません! 何かの間違いです!!」 ガッキーはあり得ない事態に激しく狼狽していた。 「では、なぜ君のペンケースに、こんなモノが入っていたのかな?」 「だ、だから本当に心当たりがなくて……」 周囲から不審を帯びた視線が注がれ、ガッキー困惑しているようだ。 「とりあえず話の続きは別室で聞くから来なさい。この場で訊くのも、君には決まりが悪いだろうからね」 言って、俺は淡々と歩き出した。 カンニングとは少々古典的な口実かと思ったが、どうやら効果はてきめんのようだ。 * 「ここだ、入りなさい」 不承不承に付いて来てガッキーを招き入れ、イスに座るように促した。 「どうだ。認める気になったか?」 少しぞんざいな口調で言って、まじまじとガッキーの顔を見る。こうして間近で見てみると、改めてその美しさに驚かされる。 「と、とにかくですね! 私はこんな変な言いがかり付けられる覚えなんてありません! それとですね、私、新垣油衣といいまして、芸能活動をやらせてもらってます。卒業後はそっちに専念するつもりなので、センター試験なんてどうでもいいんです!」 周りの目がなくなったことに安心したのか、ガッキーはアイドルよろしく高慢な態度でつっかかって来た。まあ何もやましいことはないのだから、語気が荒くなるのも無理はないだろう。 「まったく、これじゃいくら経っても平行線だな……」 「もう結構です! 次の試験も控えていますし、失礼させていただきます!」 怒気を含んだ声で言って、ガッキーは部屋を出ていこうとした。 「ま、認めたくないならそれでもいい。ただし、この件は事務所とマスコミの方へしっかり報告しとくからな」 ガッキーの足が止まった。 「……こ、困ります! やってもいないことを報告されるなんて!」 もしもこのことが表沙汰になれば、否が応でもスキャンダラスな展開になる。仮に事実を証明できたとしても、イメージダウンは避けられないだろう。 「しかし、やってないという証拠は何もないわけだから、こういう物的証拠が出た以上はそれなりの処置はとらないとな。安部なつみの盗作、あびる優の窃盗の次は、新垣油衣のカンニングか……。こりゃ明日の東スポが楽しみだな」 「そ……そんな……」 ガッキーの顔は絶望の色に染まっていった。 「それともいっそ開き直るか? 『もうどうでもイイじゃん』って芸能生命を切り捨てるんだよ。グリゴは風変わりな企業だから、CMの次回作でボッキー「カンニング編」ってのもあり得ん話じゃないぞ」 「…………」 押し黙って項垂れるガッキー。俺はそんなガッキーの姿を上から下まで値踏みするように見回した。やはり、どこを取っても、全方位あますことなく美しい。 「もう帰っていいよ、新垣さん」 俺はわざとらしく、急ににこやかな表情を作った。 「……し、信じてください! カンニングペーパーなんて本当に知らないんです!!」 ガッキーは今にも泣き出しそうな顔で、切実に訴えかけてくる。 「そう言われもても、現に君のペンケースから出てきたわけだしな。それに、こういったカンニングペーパーを作っているような生徒は、他に2つ、3つと隠し持ってたりするからな」 「私、持ってません! 調べてもらえばわかります!」 ガッキーは声を荒げて叫んだ。 「そうやってムキになるところが怪しいんだよ。……徹底的に調べさせてもらうぞ」 俺は下劣な笑みを顔全体に浮かべながら、ガッキーへと近づく。 「くっ……」 するとガッキーは露骨に顔をしかめて、俺から距離を取った。おそらくは俺の息が臭かったのだろう。事実、臭い。自分でその臭いを嗅覚できるということは、相手には壮絶な芳香が臭い立っているはずだ。 「どうした? やはり隠し持っているのか? んん!?」 言いながら、俺はガッキーの首に手をまわし、もう片方の手で腰を抱き寄せた。すると、ガッキーの髪から何ともいえぬ香りが漂ってきて……、気が付くと俺はガッキー尻をまさぐり、己がポッキーを露わしていた。 「キャー!!」 次の瞬間には、ガッキーは助けを求めて走り出していた。思わず性欲が暴走してしまい、予定していたプランが滅茶苦茶になってしまった。やってしまった! 「ちょっと! あ、あんた、何してるんだ!!」 離れの空き教室なので大丈夫、と高を括っていたのもまずかった。ガッキーファンの群れが俺達の後を密かに付けてきていたのだ。 そして、下半身を露出していた俺は、生徒達に取り押さえられて、翌日の朝刊を賑わせたのだった。 ■
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by pain_magic
| 2007-01-30 08:23
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by pain_magic
| 2007-01-21 03:10
遺伝子のイタズラによって、芸術的な面白フェイスをしているみんな! こんばんは! そんなお前らがオシャレに気を遣ったところで、そもそもの土台である容姿が崩壊してるんだから、努力するにも限界があるよね! だからもう、医学の力に頼るしかないんだけど、元が元だから法外な手術代がかかるんだ。当たり前だよね、クリーチャーから人間に転生するんだから。 でも……もう大丈夫! 今日はそんなお前らの為に、私が素敵なアイテムを紹介するよ! その名も「バールのようなもの」。この魔法のアイテムを使えば、顔の造作を好きなように変えられるんだ。つまり、家にいながらにして超絶整形が可能ってこと。 やり方はいたってシンプル。面白フェイスの残念パーツに狙いを定めて、バールで思いっきり殴りつけるんだ。フルスロットルでガンガン。バール操作に慣れないうちは、顔から流血しちゃったり、骨が飛び出しちゃったり、ちょっとしたハプニングも起こりがちなんだけど、そこは痛みに耐えて頑張って! 痛みを伴う顔面改革が終われば、「キモメン」であるところの君も、晴れて「イケメン」の仲間入りだ! ここだけの話だけど、あの「妻夫木」や「玉木宏」も、このバールの愛用者なんだとか。モテ組に加わった後は、華々しく芸能界デビュー。バール一つで夢は広がるね! で、肝心の「バールのようなもの」の入手法なんだけど、いかんせんマイナーなアイテムだけに、まだ正規店は存在しないんだ。だから自分の足で、自分にあったバールを探してみよう! それは工事現場だったり、朽果てた廃墟だったり、あるいは道の路肩だったり……。もちろん、バールは漏れなく無料ダヨ! 今年、ブレイク必至のトレンドアイテム「バールのようなもの」。君もこの流行に乗り遅れるな! ……あっ! そういえば、今日はセンター試験だったみたいだけど、上で紹介したやり方を応用すれば、偏差値も劇的アップが可能なんだよね。みんなは筋肉増強のメカニズムって知ってるかな? 筋繊維は「破壊→修復」を繰り返して成長するって話なんだけど、実は脳細胞も仕組みは一緒なんだ。知ってた? だから、手っ取り早く外部から打撃を加えて、脳細胞を破壊しようってワケ。もうこの際、バールじゃなくてもいいよ。ハンマーで頭を叩き割るもよし、コンパスを脳味噌に突き刺すもよし。脳細胞は驚きの早さで回復するから、君も一瞬にして天才だよ。 でも正直、こんなの反則だよね。真面目に勉強してる人が馬鹿みたいだし、自分だけ得をするのは忍びないって人もいると思う。だから、もうケチケチしないで、みんなにも幸福を分け与えてやろうよ! 明日はちょうどセンター試験じゃない? そこかしこに受験生はいるんだから、手当たり次第にバールで狙撃しちゃおうよ! 分かってると思うけど、中途半端な手加減は禁物ダゾ! みんなイケメン、みんな天才。日本の未来は明るいネ! ■
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by pain_magic
| 2007-01-21 02:25
勉強が煮詰まってきたので、みなさん(当ブログ読者)の1日を勝手に想像してみました。かなり簡素というか適当ですけど。 * <“トゥルルルルル”> その日は電話に起こされた。電話は長年お世話になっているアダルト専門ショップ「I am ガルベス」からだった。 「DVD、トドイタ。オマエ、スグコイ」 どうやら前々から頼んでおいた幻のDVDが手に入ったとのことだ。やはり独自の地下ルートを持つ黒人系店長のガルベスさんは心強い。 電話を切ると、俺はだらしなく伸びきった髪をオールバックにまとめた。頭皮の油分が天然ワックスとなっているので、ポマードやディップといった整髪剤は必要ない。アンチ風呂ガーだけが成せるスタイリング、生活の知恵だ。 そして消臭スプレーを全身に振りかけ、脱臭炭ゼリーを丹念に練り込む。こうすることで、俺の放つ劇烈な臭気は、どうにか一般人レベルにまで引き下げられる。と自分では思っているのだが、実際はどうなのか分からないし知りたくもない。 身だしなみはそこそこに、俺はちょっとキツ目の薬をキメて外界へ舞い降りた。 太陽の光を浴びるのは何日ぶりのことだろうか。人目をはばかりながら歩くこと数十分、「I am ガルベス」に着いた。 「DVD、10マンエン、ハヤクハラエ」 電話では確か2万円と聞いた気がしたが、もはやそんなことはどうでも良かった。あまりに過激な内容のため、市場に出回らずお蔵入りとなっていた幻の作品、『ポポロリ・エロイス物語』と『ペド・フロンティア』が手に入ったのだ。パッケージに印刷された鬼畜極まりない写真を見て、つい頬がゆるむ。 「オマエ、キモチワルイ。ハヤクカエレ」 沸き上がる性欲を抑えつつ、足早に店を出た。 Time has come. ついにこの日が来た。この日の為に数週間にも及ぶ禁欲生活に耐えてきたのだ。さらに、乳房、大陰茎の発達具合から女児の年齢を解析する『ターナーの法則』も独学で学んだ。最高のエクスタシーを獲得するには、女児の正確な年齢を把握することも重要なファクターの1つなのである。意外にこの点を見過ごしている人間は多い。 “まっかなおっ鼻の~、トナカイさ~んは~♪” と、駅前の広場を通りがかったところで、かわいい歌声が聴こえてきた。どうやら子供達がクリスマスソングを歌っているようだ。 (そういえば、今日はクリスマスだったっけな……) 定職に就かず、窓もカーテンも閉め切って家にひきこもる。こんな反社会的な生活を送っていれば、今がいつなのか分からなくても無理はない。 “ジングルベ~ル、ジングルベ~ル、鈴が~鳴る~♪” 気が付くと俺は家路を急いでいた足を止めて、子供たちの歌声に耳を傾けていた。希望の光に満ち溢れている子供たちは眩しかった。 しかし、無邪気に歌う子供たちを見て、不覚にも俺の下腹部は隆起していた。 ……と同時に、そんな自分自身に言いようのない嫌悪感が襲ってきた。 (俺は一体こんな所で何をしているんだろうか……) 気が付くと、俺は、泣いていた。涙など流したのはいつ以来のことだろうか……。 悲哀、羞恥、苦悩、後悔、性欲、絶望……。 様々な感情が入り混じって、目から肉棒からとめどなく涙が溢れた。しかし、その涙は俺の汚れた心を浄化していくようで……。 「今からでもまだ間に合う。人として、清く正しく生きよう」 俺は涙をぬぐってそう決起した。 ざわ・・・。ざわ・・・。 見るからに変質者というような男が、子供達を凝視して、時折ぶつぶつ呟きながら号泣している。この異様な光景に広場はざわつき始めていた。 「俺は生まれ変わるんだ……! こんなものは……もう要らない!」 俺は小脇に抱えていた非合法DVDを投げ捨てた。 と、その時だった。 「君、ちょっといいかな」 不意に声をかけられ振り返えると、そこには警官が立っていた。というより、俺の周りは軽いパニック状態になっていた。 (ま、まさか……俺が原因か……!?) 「ちょっと待てくれ! 俺は生まれ変わったんだ!」 「話は署で聞くから」 警官の手には先ほど俺が捨てた非合法DVDがあった。とても言い逃れできそうにない。俺は警官に従い、渋々署へと向かった。 署では犯罪者同然の屈辱的な扱いをされた上に、要注意人物として様々な角度から写真まで撮られた。結果的にDVDを所持していただけの俺は厳重注意だけで済んだが、数時間前に「正しく生きよう!」などと決起した気持ちは完全に消え去っていた。 そしてやっと署から開放されると、タイミングが悪いことに、検挙されたガルベスさんが今まさに連行されて来る所だった。署では激しく詰問され、俺はガルベスさんのことまで洗いざらい全てを話していたのだ。もちろん、ガルベスさん本人には俺の名前は伝わらないという確約があってこその情報提供であった。 それなのに……このような形でガルベスさんに会うとは……。これはもう警察の配慮が足りないというより、神のイタズラとしか思えない。ガルベスさんは俺の顔を見て、すぐに足が付いた原因を察したようだ。そして、すれ違いざまに悪魔のような形相で 「カナラズコロス」 と言い放ち署へ消えていった。中国系の密入国者など、幅広い人脈を持つガルベスさんのことだ。ガルベスさんが出所したら、俺は間違いなく消されるだろう。 もう日は完全に落ちていた。街並みに目をやると、クリスマスのイルミネーションがキラキラ輝いている。そんな中を行きかう幸せそうなカップルたち……。 俺は夜風に震えながらタバコに火をつけた。ジッポライターには無様な自分の姿がぼんやり写っていた。 「やるか……」 そして帰り際、俺は幼女を連れさらい、家に監禁した。その子の顔が小池徹平に似ているので、徹平ちゃんと呼ぼうと思う。 君はきっとどうしようもない僕に降りてきた天使。 メリークリスマス ■
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by pain_magic
| 2006-12-25 03:01
フォームから届いた絶望メールを見るにつけ、リアルで負け組を具象化したような方がいらっしゃるようで、そんな10代のガキ捕まえて死にたいとか言って(中略)そう悲観的にならないで大丈夫ですって! 信じる者は救われるというのは永久不変の摂理です。今からでも遅くありません。私みたく滅私で祈祷を続けましょう! 私にはハッキリ見えますよ、当ブログ読者の輝かしい未来が。というわけで、私が見えたものを殴り書いておくので、腐れ眼ひん剥いて、穴という穴かっぽじって、適当に流し読みしてね☆ モデルを美化しすぎている点はご愛敬と言うことで^^ 人気ブログランキングへ(クリックで投票) ■
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by Pain_Magic
| 2006-11-23 19:12
ノドが渇いたので机の上にあった牛乳を飲んだんですが、ノドを通過したのは固形状の何かでした。たった2日、部屋に放置しただけで腐るなんて、まだまだ夏日は続きそうですね! さて、気が付けば9月です。籠城しているので生活に変化はないんですが、この夏は高校野球が熱かったですね。波乱尽くめの大会で、まさに筋書きのない熱いドラマでした。野島伸司が書くような三文メロドラマとは大違い。プチニートの特性を発揮して、ほぼ全試合コンプリートしてしまいました。今日と昨日は、日米親善試合も早起きして観ました。ほとんど中継なかったんですけど。 でも斎藤選手への過熱報道には閉口です。プライベートまで根掘り葉掘り詮索するのはどうなんでしょう。マスコミは数字が取れると思ったら過剰に担ぎ上げますからね……。ほんと斎藤キュンが可哀想です……。だって斎藤キュンは私の天使だもん。私だけの佑ちゃん。どんなことがあっても大崩しない、あの安定感。斎藤投手が一家の屋台骨になったら、まず家庭は揺るがないでしょうね。ホント結婚したい。 ……といった旨のことをずっと考えていたら、想像妊娠してしまいました。そして先日、想像出産。現在は想像赤ちゃんを想像育児しているので、勉強する暇がなくて困ってます……。 そんな私なんですが、今日は私の脳内BL妄想を文字に起こしてみました。主人公はもちろん斎藤投手。昼過ぎから執筆を始めたら、いつの間にか夕方に…。最初に断っておきますが、読むに耐えるモノではないです。登場人物の品行方正なイメージも叩き壊しています。 * -1- 米国チーム相手に好投を魅せた斎藤は、宿泊先の「Pilton Hotel」に戻ると、多量の薬をスニって、ベッドに崩れ落ちた。 ――そして夢を見た。ハンカチ(クロロホルムを染み込ませた)を駆使してチアガールを嬲り倒す、サイケデリックな明晰夢を。しかし、そのエデンの夢は、突然の来訪者によって破られる。 <ピンポーン、ピンポーン> (くそっ! あと一歩のところで……!) 本塁生還をレーザービームに阻まれたかのような、筆舌に尽くしがたい寸止めだった。時計に目をやれば1時。にわかに血潮がたぎる。斎藤はインターホンの受話器を取った。 「こんな夜更けに何用でしょうか?」 言葉こそ丁寧であったが、あからさまに角のある口調で言った。こんな埒外の時刻に起こされたのだ。斎藤の心中は推して知るべしだろう。 「田中だ。斎藤、ちょっと中で話せないか?」 その田中風情は、悪びれた様子を微塵も感じさせない声のトーンで、なかなかにイカれたことを言った。 「急用じゃないんなら明日にしてもらえないかな?」 「いや、今すぐお前と話したいんだ」 ウザイ、と斎藤は思った。このまま無下に断れば凝りが残り、下手を打てば斎藤ブランドにも傷が付きかねない。この手合いは最上級にウザイ。 「わかったよ。でも用件は入口で聞くから」 斎藤はうぜーうぜーと悪態をつきながら入口へ向かった。下らない用件であれば問答無用に断ろう――と考えたのがマズかった。斎藤がドアを開いた瞬間、田中はその隙間に足を挿入するという、往年の元木を彷彿とさせるトリックプレーを魅せたのである。 「大事な話なんだ。中で話せないか?」 そう言って顎でドアのチェーンをしゃくる田中。 「……話ならここで聞くよ。用件は何かな?」 「ここじゃ声が響くから中に入れてくれよ。なぁ斎藤、俺達チームメイトだろ?」 チームメイトという語感を妙に強調しながら、ニヤッと笑みを浮かべる田中。その仕草がたまらなく不気味だったが、そこは腐ってもチームメイト。このまま押問答を続ける訳にもいかず、何よりも田中を怒らせると後が怖かった。 「ごめん。なんか寝起きでイライラしちゃっててさ」 どうせすぐ済む話だ、と自分に言い聞かせて、斎藤はチェーンを外し、ドアを大きく開けた。 「ゲププププ。ありがとね、祐ちゃん」 そんな空耳が聞こえた気がした9月、アメリカでは新学期が始まろうとしていた。 -2- 斎藤を押し込むようにして部屋に入った田中は、当たり前のようにドアをロックし、チェーンを掛けた。 「いやー、犯罪大国はコワイよな。はっはっは」 そう言って仰々しく笑う田中。しかし斎藤はそんな言動に臆することなく、あくまで毅然とした態度で 「田中君、話って何かな?」 と率直に訊いた。とにかく用件だけ済まして早く帰って欲しい。それが斎藤の本音。 田中は暫し沈黙の眼差しで斎藤を見つめた後、ゆっくりと口を開く。 「第1回選択希望選手、斎藤佑樹、早稲田実業、18歳、投手」 「……えっ? それはパンチョさんの声帯模写……かな?」 ジトリ。斎藤の背中に嫌な汗が滲む。 「……斎藤、俺はお前が欲しい。そのコケティッシュな魅力を、心ゆくまで堪能したいんだ! 今すぐ抱かせてくれ!」 田中、常人の斜め上を行くカムアウト。トチ狂ったことを宣うその顔貌は、およそ普段の田中とは想像もつかない、さながら仁王像の様相であった。 斎藤は心底震えた。全身の毛穴から汗が吹き出し、心臓は早鐘のように脈打っていた。 (こいつはヤバイ……! 早く逃げないとヤられる……!) しかし、ここで田中を拒絶するのは明らかにマズイ。出口への進路は断たれている上、その体格差を考えれば、土台リアルファイトで敵う相手ではない。しかも相手は掛け値なしのキチガイときている。 「OK。わかった。とりあえず奥で話を聞くよ。飲み物はオレンジジュースでいいかな? すぐ持ってくるからソファで待ってて」 斎藤は慎重に言葉を選んだ。そしてゲイボーイを奥へと誘導、隙を突いてエスケープ――するつもりだったのだが、あらゆる常識を飛び越えるのがキチガイ。斎藤が踵を返して歩き出した瞬間、その行動を制するように背後から手が伸びてきて、ガシっと肩を掴まれた。 「斎藤!! 俺はもう我慢できないんだ!!」 その怒号と共に斎藤は床にうつ伏せに押し倒された。 「ちょっ! 田中君! 乱暴は止めてよ!」 斎藤は身体を必死にバタつかせるが、その抵抗はあまりに無力だった。 「若者は元気があってよろしい」 そう言って田中はゴムチューブを取り出すと、斎藤の手を縛り付けた。 「うぅ……こんなの……こんなのいつもの田中君じゃないよ!! お願いだから目を覚まして!!」 「いいか斎藤、何事にも二元性、表と裏があるんだ。そしてコレが俺の裏の顔だよ、斎藤。誰だって非顕在的な内面を持っているんだ。フリーアナウンサーの厄留とかはその顕著な例だな。アイツは一見温厚そうに見えるが、眼鏡の奥の瞳は笑ってないんだよ。カメラが止まれば波瀾万丈。今日もあの子にブロードキャスト。霊長類最狂の内弁慶、それがトメのエイリアス。……とどのつまり、俺はお前の裏(バック)をもっと尻たいんだ。俺に教えろ」 そんな長広舌を振るって、斎藤のズボンに手を掛ける田中。 「ちょ、ちょっと待って! ところでさ、田中君はアナルとアヌスの違い、知ってるかな?」 咄嗟にそんな言葉が、出た。その質問に「ほほう」と田中が興味を示したので、呼吸を挟んで言葉を継いだ。 「アナルとアヌス。この2つはね、形容詞、名詞って違いだけじゃなくて、医学的な意味でも異なるんだ。アナルは肛門の穴そのもの、アヌスは穴だけじゃなくて、肛門周辺のシワも含んでるんだよね」 ここで斎藤は、「でもね――」と一拍置いて、さらに言葉を紡ぐ。 「そんな蘊蓄を脳髄に叩き込んでも、どっちがどっちだか混同する罠が待っているんだ。そこで、僕はこういう覚え方を発案した。“アナ”という文字を含むアナルは穴単体、最後に“s”がついて複数形になっているアヌスは穴とシワのセット。こう覚えてから、件の罠もたちどころに解ケツよ。どう? この僕が考えたエポックメーキングな記憶術? だてに早稲田通ってないよ」 この熱き想いが田中に届けば、きっと分かり合える――。そう思えばこその饒舌だった。 「斎藤、随分と尻文化に造詣が深いじゃないか。こりゃ楽しい夜になりそうだな」 「えっ!?」 斎藤は、キチガイの劣情の炎に油を注いでしまった。 -3- <ガサッ> その刹那、背後で布擦れの音。その厭なノイズに一瞬息を呑むも、斎藤は意を決して振り向いた。 そこにはズボンを脱ぎ捨てた田中が、周りから隔絶した邪気に包まれて、彫刻のように尊大に佇んでいた。そして待ってましたとばかりに、田中はゆっくりとトランクスを下ろす。 下腹部に毒々しい肉塊が自己主張していた。そして、その極限まで怒張した肉製バットの特大さに斎藤は目を見張った。これが自分と同じ高校球児のモノだろうか。規格が違いすぎる。田中のモノを金属バットと形容するならば、自分のそれはチョコバットですらない。 こんなモノで貫かれたら……と考えるだけで、脳漿が凍てつき、血液が逆流しそうな感覚に囚われる。 ふと視線を上げれば、ニタリと口元を歪ませた、魑魅魍魎の一種がそこにいた。てっきり甲子園の魔物というのは、長島三奈のこととばかり思っていたが、その魔物の正体は田中だったのだ。 なんて戯言を考えている間にも状況は悪くなる一方で、現状を打破する活路は全く見出せない。田中は今まさに、欲望のままに狼藉を行なおうとしているのだ。 「斎藤、俺のペニスをクロスレビューしてくれ」 そしてキチガイは己が下腹部を指差して、評価しろ、と言う。 斎藤はそれに応えず、軽蔑の眼差しで田中を睨み据えた。 「なんじゃい、その目は! 道産子舐めるんじゃねえべよ!」 それに激昂した田中は斎藤に飛びかかると、ズボンとトランクスを一斉に引きずり下ろした。 「うわー!!」 そしてお目見えする、程よく引き締まった、張りの良い丸い尻。 「アデオス……。このきめ細かい尻肌にして、このボリューム感。間違いない。コイツは9ヶ月に1人の逸材だ……!」 田中は手で触感を確かめながら、そんな狂言を漏らした。 「うぅ……田中君、これは犯罪だよ…? こんなことして良心が痛まないの…?」 「良心? 何それ? 掘れるの?」 言って斎藤の尻に顔を埋める田中。 「いいか斎藤、ここは性大国アメリカだ。ここじゃアナル竣工なんて大人の通過儀礼みたいなモンなんだよ。郷に入れば郷に従えってな。男なら覚悟決めろや」 田中は間違った欧米観を披露すると、やおらバットを握りしめた。 「さて裸の突き合いをしようではないか、斎藤よ」 「変態! 鬼畜! 三一奴!」 「いざロンダルキアへ」 田中は挿入口にバットを宛がった。 「田中君! そこは入っちゃいけない禁忌の洞窟だよ!」 「斎藤、その固定観念を捨てなければ、限界点(150kmの壁)は突破できんぞ。いいか斎藤、アスホールはな、明日へと続く希望の洞穴なんだ。明日はきっと何かある、明日はどっちだ」 「明日は地獄だよ! 世迷い言も大概にしてよ!」 「やるぞ、やるぞ、やるぞ」 「田中君! 目を覚まして! こんなことで一生を棒に振ってもいいの!?」 「棒を振るのはこれからだよ、斎藤」 「待って! 今、外で何か音がした!」 「斎藤さん、ちょっとチクっとしますからね」 「仁王さん、僕に仏の慈悲を……」 「悪い子にはこの宝棒で廷杖じゃて」 「せめて前戯ぐらいしてよ! この粗忽者!」 「お前はもう喋りすぎた」 「田中君、舌噛むよ?」 その斎藤の言葉に、ついに田中はキレた――。 -4- 「じゃかしいわ!! お前が逝けば死姦するまでよ! さあマウントの田中! 大きく振りかぶって、第一球を投げました!」 <ズパンッ!> 田中、渾身のストレートが、渇いた音を立ててミットに突き刺さる。 「うぅ……。うぅ……」 「これ絶対入ってるよね。ストライク!」 顔面に喜色をたたえた田中は、矢継ぎ早に速球を投げ込んでいく。 <スパンッ! ズバンッ!> 田中の律動に合わせて景気の良い音が鳴り響く。 「あぐぅぅう……!!」 未だかつて経験したことがないインパルスに、弱々しい嗚咽を漏らす斎藤。その艶めかしい嬌声が、田中の嗜虐心を煽る。 「I is very happy!! 今日は大安じゃて!」 田中はこねるように腰を回転させて、容赦なく深々と投げ込んでくる。貫かれている部分が焼き焦げるように熱い。 「祐ちゃん。これで僕らは運命共同体だ」 さらに田中は腰を動かしながらも、右手で斎藤のバットを弄び、左手で乳首を責めるトリプルプレーを披露。 「くぅ……。た…田中君、スリーアウト、チェンジだよ…。攻守交代だよ……」 だがチェンジは訪れない。背後からの責めは否応なく続く。 <グチャリ! グチャリ!> いつしかミットは湿った音を立てていた。ミットの中は淫液で濡れそぼって、てらてらと妖しく光っている。 「これじゃ面白くないな……」 田中はそう呟くと、ポケットからロージンバッグを取り出し、それを歯で噛み破った。ミットに大量のロージンが降り注ぎ、斎藤は驚いて悲鳴を上げる。 「ひぃ!! た、田中君、いったい何をしたの!?」 「これはロージン、滑り止めだ。俺はな、バットに肉が纏わり付くような、強烈な摩擦感が好きなんだ。あの擦り上げる感覚は癖になるぞ。相手に掛かる負担、苦痛は計り知れないと思うが、そんなものは俺の知るところではないからな」 そう言いながら、ロージンをミットの中まで丁寧に、満遍なく塗り込んでいく田中。 「うわぁあっ!! せめてロージンじゃなくてローションにして!!」 「ククク……斎藤よ。ここらで締まっていこう」 「田名君……、こんなの人間としてアウトだよ……」 「では参る」 <ズドンッ! ズドンッ!> 休む間もなく剛球を繰り出す田中。150Km超の重いストレート、縦に鋭く落ちる高速スライダー。これが面白いようにズバズバ決まる。 「あぁぐぅ…うぅっ……」 斎藤はその度に苦悶の嗚咽を漏らす。肉を引き千切られるような、臓腑を掻き回されるような、名状しがたい激痛が間断なく襲ってきて、呼吸すらままならない。文字通り生き地獄だった。 「いい声で鳴くじゃないか斎藤よ。諸行無常の響きありってか」 鬼畜道をひた走る冷血漢は止まらない。苦痛に咽ぶ相手を前にして、それでも快感を貪り続ける。 <ズドンッ! ズドンッ!> 斎藤のミットがワインレッドに染まっていく。 「ぐぅ……。非道い……」 「大丈夫、そこは安全地帯」 <ズドンッ! ズドンッ! ズドンッ! ズドンッ!> -5- 試合が始まってどのぐらい経っただろうか。蹂躙に次ぐ蹂躙で、斎藤は時間の観念すらも喪失していた。 そんな折のことだった。律動を続けていた田中が、悶えるような呻き声を上げた。 「ゆ、祐ちゃんっ! も…もうイきそうだよ……! ウイニングショット、投げるよ!!」 そして次の瞬間、田中の脳裏に閃光が瞬き、バットの先端から夥しい白球を噴射した。その白球はミットの中で奔流となって氾濫し、粘性と熱性を持った田中Jr.達は、まるでマグマのように下半身を流れ下っていった。 「ゲームセット!!」 そう言って田中がバットを引き抜くと、ミットから熱投の名残りがトロリと糸を引いた。 「…………終わったんだね……。何もかも……。」 力無くそう呟く斎藤を尻目に、田中はエクスタシーの余韻で茫然としながらも、両手で斎藤のミットを大きく割り広げ、その次元の狭間をつぶさに観察し始めた。 「ちょっ! 田中君、何してるの!」 「試合が終わったから、甲子園の土を持って帰るんだ」 意味深なことを言って、田中はミットの中に舌を挿入した。 「アニリングス!!」 斎藤は思わず悲鳴を上げた。田中のアクロバティックな舌は、窮屈に窄まった出口であるところの入口を、強引に押し広げるように侵入してくる。さらには内蔵を吸い取るような吸引力でガブリエルしてくるから、腸の奥で眠っていた黒い影がモゾモゾと動き始める。 「何が出るかな♪ 何が出るかな♪」 田中は危険なフレーズを口ずさみながら、サンバのリズムでバキューミングを繰り返す。 「うぅ……。もう…ダメだ……」 「祐ちゃん、僕の袋(胃袋)に早く土を! いでよ甲子園の土!」 「あぁ……! も……もう……限界だ……!!」 <ズドンッ!> そして斎藤は、人間の尊厳という名の汚穢を田中の口はおろか顔面にまで大いにぶちまけたのだった。 「うわー! これ全部食べていいの!?」 田中は嬉々とした表情で甲子園の土を袋に詰め込んでいった。 その時だった。斎藤の眠れる獅子が唸りを上げて目覚め、閉ざされた扉をぶち破った。 覚醒した斎藤は、後ろ手を縛っていたゴムチューブを引き千切りると、床に手をついて跳躍すると同時に、田中の腹部に回し蹴りを叩き込んだ。 「グルゥオオオオ!!」 田中は体をくの字に曲げて吹き飛んでいって、壁に強く激突した。 「グゲェェ!!!」 そして胃液と甲子園の土を吐き出す。 「右ストレートでぶっ飛ばす。まっすぐ行ってぶっ飛ばす」 のそり、のそり、と間合いを詰める斎藤。 「幽ちゃん! 突然どうしちゃったの!」 「お前は開けてはならぬパンドラの箱を開けた」 そう言って、斎藤がトドメを刺そうとした刹那、田中が堰を切ったように笑い出した。 「はっはっはっはっは!! まさかお前が反撃しようとは、努々思わなかったぞ! クックック……、ではこちらも本気でいかせてもらうぞ!!」 途端、凄まじい邪気が空間に満ていく。 「グルゥオオオオ!! 田中70%! 田中80%! 田中90%!! 田中100%!! 田中110%!!! 田中120%!!!!」 鼓膜をつんざくような咆吼を上げて、己の限界を超えていく田中。 <グサリッ!> 「えっ?」 次の瞬間、斎藤の手刀が神速のスピードで田中の心臓を貫いていた。 「ボーンヘッドだったな、田中。無防備すぎるんだよ」 田中は派手な音をたてて床に倒れた。 -6- <バタンッ!> その時、ドアの扉をチェーンごと突き破って、室内に選抜メンバーが飛び込んできた。ただ事ではない狂騒を聞いて駆けつけてきたのだ。 「何があったんだ! 大丈夫か!!」 先頭で駆け込んできた和泉監督は、大の字になって倒れている田中を見つけると、顔を青ざめて絶句した。 「なっ……!!」 「田中君は冥界へ旅立ちました。仁王像、入滅です」 肉製バットをギンギンに屹立させた斎藤は、遠くを見て言った。 たまらず田中の元に駆け寄る選抜メンバー。 「田中! おい田中!! しっかりしろ!!」 「きれいな顔してるだろ。死んでるんだぜ、それで」 「田中……たっちゃん! たっちゃん!! たっちゃん!!!」 その日、死んだのは、たっちゃんだった。 ■
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by pain_magic
| 2006-09-05 18:44
不運なことにダンプカーに撥ねられてしまいました。歯医者に向かう途中、世界が暗転。気が付けばベッドの上でザ・マミー。というわけで、私と一緒にブログも仮死状態に入りまーす。 ブログを続けたい。でも大学にも受かりたい。この二律背反は解消されないまま私の心を蚕食していき、その結果がダンプカーにズドンでした。やっぱり文ブ両道なんて芸当は不可能だったんです。ブログを始めれば大学に落ちる。そんなバタフライ効果? というわけで、今後の人生を左右する一大スペクタクルイベントが終わるまで、更新はほとんどないと思います。当クズブログにリンクを張って頂いているWebサイトさんは、どうぞ気兼ねなくリンクを外しておいて下さい。 それと、逸物ひとつでブログ界の覇王にまでのし上がった、肉欲企画。の肉欲棒太郎さんには、何と! 恐れ多くも文中リンクを張って頂いたのですが、その矢先にこのような形になって本当に申し訳ないです…。言うまでもないですが、文中リンクとこの件は無関係です。 あと、沢山のコメント、メールを頂いたのですが、そこは横柄なことで有名な私です。しばらく放置プレイを決め込ませていただきます。というのも、実は以前より公布されていたパソコン禁止令がついに施行されたんです…。というのが建前で、レス打つ時間があんなら単語の1つでも覚えた方が建設的だろ? というのが本音です。 グフフフフ。こんなゲログを読んでると頭に蛆が湧いてくるので、一刻も早く←にあるLinksから素敵サイトへ飛んで下さい。私、選球眼だけは自信があるんですよ。そして最後に一言。 「私、普通のクズに戻ります!」 以上、病院のベッドの上より失礼しました。早く人間になりたい。 ■
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by pain_magic
| 2006-07-31 01:57
起床するなりノドが苦しい。何というか、ペニスを喉奥に突っ込まれて高速ピストンされてるかのような、激痛を伴うディープスロート的な異物感。もちろん、この苦痛は尺八に因るものではないので、スキルアップだとか、奉仕する悦びだとか、ノドの潤いだとか、そんなオマケが付いてくるはずもなく。 原因は分かってます。昨日、遅ればせながら「クーラー開き」を行ったんですが、その際にフィルターの掃除を怠ったのがアレだったようで、その結果、フィルターに勾留されていた「不衛生な何か」が解き放たれ、それらは宙を舞うことで咽喉レイパーへと姿を変え、そのまま私の口内に侵入凌辱、そんな案配です。 そして散々むせび苦しんだ末、私が取った非常手段は、コーラの一気飲みという神経細胞の繋がりを疑わずにはいられない蛮行でした。人は追い詰められると得てして不可解な行動を取るのです。 しかし、そうは言ってもコーラは元々は頭痛薬だったと聞きますし、コーラが喉痛にも効く万能薬だという可能性もなきにしもあらずです。そうじゃないにしても、人が持つ適応能力は計り知れません。「治る!」と強く念じて一気飲みすれば、痛いものも痛くなくなるに違いないんです! などと危ない想いを巡らせつつコーラを一気したのですが、そんな神秘の力が働くはずもなく、逆に冷えたコーラが虫歯を刺激して、ナリを潜めていた歯痛がグレードアップして現れたから堪りません。もう痛いなんて次元じゃないです。何というか、歯から突出した槍で脳神経を攪拌されているかのような、死を予感せずにはいられない凄絶たる歯痛です。さらに起床時間がアレなので歯医者にも行けず、おまけに明日もアレで定休という負の連鎖が発生。これは諺で言うところの泣きっ面に顔射というヤツでしょうか。 唐突に虚を突いて来た、喉痛・歯痛の二重苦。こんな激痛に挟み撃ちされた状態でまともな思考が働くはずもなく、訳も分からずウロウロしている内に今度は階段を滑落、もんどり打って階下にズドン。脳天から迸る血飛沫。そのまま廊下に突っ伏す私。 (もう私は死ぬ…。比喩ではなくリアルで死ぬ……) そして始まる走馬燈…… 祖父「この大根の絞り汁をな、こうやって耳に入れると歯の痛みが和らぐんじゃよ」 私「へー、昔ながらの知恵なんだねー」 それは絶望の淵で垣間見た一筋の光明でした。 次の瞬間、私は息を吹き返し、気力を振り絞って台所に向かっていました。もちろん、求めるブツは大根。せめて歯の痛みだけでも抑えられたら……。 もう歩くことさえままらないので、激痛にのたうち回りながらも、そのローリングを利用して突き進んで行きました。そしてやっとの思いで台所に辿り着き、混濁とする意識の中、震える手を押さえて大根を摺り下ろし、絞り汁を抽出。一瞬の逡巡後、私は意を決してその聖水を両耳に流し込みました。 「痛ァアア!!」 その刹那、両耳に硫酸を流し込まれたかのような刺激痛。 「あ"ー!! 三叉神経が焼ける!!」 台所に響き渡る断末魔の絶叫。 (くそっ……じじいの奴……! 大ボラ吹きやがった……) 後悔先に立たず。耳は焼けるように痛く、歯の痛みも全く和らぎません。絞り汁の用量を間違えたのは認めるにしても、この耳の痛さは明らかに異常です。祖父の言っていたことは全くのデタラメだったのか、それともあの祖父は私が創り出した幻影だったのか。というか、よくよく考えてみれば、他界した祖父は語尾に「じゃ」なんて特殊言語など使っていませんでしたし、やはり全ては私のバッドトリップだったんでしょう。無下なり。 (もう私は死ぬ。というよりさっき死んだ。そして今度こそ本当に死ぬ。007は2度死ぬ。私も2度死ぬ) そしてそんな諦観を決め込み、静かに瞼を閉じようとした、その時でした。 「おい、さっきから1人で何してんだ? 台所にぶっ倒れんのは新しい遊びか? それともアレか、奇病の病原菌でも培養してんのか?」 突如として辛辣過ぎる言葉が降ってきたのです。それは他ならぬカレの声でした。錯乱状態にあった為にその存在を忘れていましたが、実は台所には私の彼氏が鎮座していたのです。 「おいおい、返事すらしないってことは相当ヤバイのか? じゃあアレだな、もうちょっと待てば死姦ってヤツができるかもしんねぇのかな?」 私を介抱する訳でもなく、ただ罵声を浴びせかけるだけのカレ。それもそのはず、さっきからカレだの彼氏だの言ってますが、所詮それは遊技場で獲ったムササビのぬいぐるみのことです。私がムササビを彼氏と定めたその日から、カレの居場所はこの台所に設置された神棚でした。私がカレと付き合い始めてからもう3年は経つでしょうか。私が超人故にカレと会話できるのか、はたまた変人故の幻聴なのか、それは過去ログに訊いて下さい。しかし、そんなカレとももうお別れです。 「もういい。こうも立て続けに不幸な目に遭うってことは、それはもう神のお導きと捉えるべきなんだと思う。だから私、死ぬわ。今際に立ち会って貰うのがアンタってのはちょっとアレだけどね。生生流転。今生を諦めて他生を頑張って生きますって家族に伝えといて。ってアンタと喋れるのは私だけか」 そんな意味のない遺言を残して、私は静かに瞼を閉じました。 「バカヤロウ! その体たらくで輪廻転生なんかできる訳ねーだろ! お前なんか成れて地獄の門番の肉便器だよバカヤロウ! 下賎の分際で簡単に死ぬとか言ってんじゃねーよ!」 するとどうしたことでしょうか、何とあのカレが激情して、私の往生を諫めて来るではありませんか。これはカレの性格をよく知る私には想定外のレスポンスでした。 「いいか、すべての不幸は未来への踏み台にすぎないんだよ。多大なる不幸があってこそ、輝かしい未来に跳躍できるんだ。今のお前はな、踏まれる側の踏み台に踏みにじられてるアレなんだよ! ちなみこの有り難いお言葉は俺が昔残した格言だから肝に銘じておけ」 「えっ、今なんて……」 肝心な部分は代名詞にせずにハッキリ言ってくれと思ったんですが、そんなことよりも驚愕すべきはカレが言った「俺が昔残した格言」という言葉でした。私の記憶が正しければ、この格言を残したのはアメリカの思想家ソローだったはずです。もしかしてカレは……。 「ねぇ、もしかしてあなた、ソローなの?」 そんなはずはない、バカバカしい、とは思っていても、私はカレに訊ねずにはいられませんでした。 「フォッフォッフォ。ワシとしたことがうっかり失言してしまったようじゃな。そうじゃ。ワシがかの有名なソローじゃ。生生流転して、今生はムササビのぬいぐるみとして生きておるのじゃ」 それが私のあり得ない問いに対して、返ってきたアンサーでした。今まで付き合っていたカレはソローだった。そんな三文映画のような話を誰が信じるでしょうか。あまりに馬鹿げています。しかし、私は確信していました。間違いない、カレはソローだ、と。キャラが激変してることについては何も言うまい。 「しかしのう、正体がバレてしまった以上、今生ではもう生けてゆけん。それがぬいぐるみとして生まれたワシの定めじゃ。お前の成長する姿をもっと見ておきたかったんじゃが、残念じゃのう」 「そんな! せっかく真の貴方を知れたのに、もうお別れだなんて早すぎるよ! 逝かないでソロー! もっと有り難い言葉聞かせて! 逝かないでイカせて!」 「フォッフォッフォ。最期まで詮方ないことを言ってワシを困らせんでくれ。それに、そんなに心配せんでも大丈夫じゃよ。お前なら如何なる不幸も乗り越え、必ずや勝ち組ライフとやらを満喫できるじゃろう。ずっと見守ってきたワシが言うんじゃ、間違いないわい。それではそろそろお迎えが来たようじゃ。ではさらばじゃ」 ソローはそう言い残して、天に召されていきました。結局さよならの一言も言えずに――。 そして私は今亡きソローの亡骸を抱きしめ、「すべての不幸は未来への踏み台にすぎない」と復唱しながらソローに祈りを捧げました。 気付けばいつの間にか各部位の激痛は消え去っていました。今頃になってコーラと絞り汁の効果が出てきたんでしょうか。ともあれ、私は大きな不幸を乗り越えたのです。 「ソロー、私頑張る! 絶対に大学受かってみせるから!」 その時、ずっと仏頂面だったぬいぐるみの顔が、ちょっとだけ恵比須顔に変わった気がしました。 ■
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by pain_magic
| 2006-07-23 01:09
巨人二岡、2打席連続満塁弾! 史上初の快挙! 二岡様最高! さて、大のアンチ巨人である私が、カープを裏切った銭ゲバを敬称付きで讃えているのはなぜでしょうか。そんな下らない質問に答えてくれるのは、ファンタジーベースボール(以下FBB)です。 日本では馴染みの薄いFBBですが、海の向こうアメリカでは数百万人が熱狂する人気ゲームです。ゲームと言ってもシステムは単純明快で、NPBの12球団から好きな選手を選んでチームを編成するだけです。すると実際の選手が活躍した成績に応じてポイントを得ることができるので、そのポイントを基にみんなで競い合うという仕組みです。冒頭で二岡様を讃えた意味がわかって頂けたでしょうか。 もちろん一口にチーム編成といっても、限られたサラリーポイントの中から選手を厳選しないといけない訳で、むしろ野球好きな人ほど苦心するのではないでしょうか。しかし、この頭を悩ましながらの作業こそがFBBの醍醐味なんですよねー。もう気分はGMです。 そしてそんなゲームを無償で提供してくれるのが、個人で運営されているひまひまさんです。パソコンとネットに接続できる環境さえあればどなたでも参加できますので、プロ野球が好きな人もそうでない人も是非参加してみて下さい。 「ひまひま★さんらいず 」 現在は年俸調整などを行うオープン戦なので、今から登録してもリーグ戦には十分間に合います。もちろん、日ごと週ごとにもランキングは発表されますし、リーグも前期と後期に別れていますので、途中から参加されても全然楽しめるかと思います。詳しくはひまひまさんのwebをご覧下さい。 あとこれだけは言っておきますが、1人で複数のチームを登録するのは御法度というか、チートコードを使ってゲームに興醒めする感覚というか、とにかく1チームに絞られることをオススメします。 ちなみに、私のチームは現在シーズン順位 175位/510チーム でーす。最初の一週目は大学に落ちた絶望から登録し忘れていたんですが、一週遅れで175位はかなり健闘しているんじゃないでしょうか、と私は勝手に思ってます。 チーム名:桃色トリップ 恥ずかしいですが、ここで紹介しておきます。散々な結果に終わって公開処刑になる可能性も高いですが…。 追記:時間の都合と私のチームのあまりの不甲斐なさの為、特設ページは中止になりました。ただチームを登録していて教えて頂けるという人がいましたらいつでも連絡して下さいね。 ■
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by pain_magic
| 2006-05-02 00:50
![]() ポーランドから海賊マリオがやってきた! という訳で、今回は箸休めとして著作権を無視した海外のリメイクゲームを紹介します。ネットサーフ中に偶然見つけて、軽い息抜きのつもりで落としたんですが、 気がつけば日を跨いでの豪遊っ・・・! …と、地下帝国で豪遊したカイジばりに猛省してる私ですが、このゲーム、異常なまでに完成度が高いんです。難度アップしていくステージ構成も絶妙で、久しぶりにゲーマーの血が騒ぎました。宅浪生が勉強そっちのけで熱中するのも頷けます。 ということで、最新verは以下より落とせます。 「Mario Forever v3.0 Free Full Game」(26.0MB) (Win専用ソフトなので、リンゴ使いさんはプレイできません) 最新アップデートは昨年末に行われたみたいですが、公開自体は2004年に行われているので、知っている方も結構いるんじゃないでしょうか。もし未プレイの方がいましたら、是非遊んでみて下さい。そして作者のただならぬマリオ愛を感じて下さい。 ちなみに、終了キーはないので終了する時は「Alt+F4」で落ちると便利です。キーパッドを使いたい方はJoyToKeyをどうぞ。 あとゲームを紹介するだけでは余りに芸がないので、一番難しい最終ステージの攻略レポも書いてみました。全クリのネタバレは伏せてあるので、最終ステージで詰まっている方がいましたら是非参考にしてみて下さい。 ……とは言っても、要は需要を無視した私の自己満足プレイ日記です。あと、画像使ってるのでちょっと重いです。 最終ステージ・World8攻略へ ■
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by pain_magic
| 2006-04-22 12:04
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